「月下老人」の続きです。
14年後、韋固はどうなっているのでしょう。
又过了十四年,韦固借助父亲的荫庇在相州任职,由于相州刺史王泰欣赏他的才能,刺史把十七岁的女儿嫁给了韦固。
刺史之女贤惠静淑,容色华丽。然而她的眉间常贴一花,即使在沐浴闲处之时,也不会除去。过了一年多的时间,韦固感到十分惊讶,猛然想起菜市行刺之事,就开始逼问事情的缘由。
他的妻子潸然泪下,说:"我其实只是刺史的养女。我的父亲曾经是宋城的县令,他去世时,我尚在襁褓之中。继而母亲兄长相继去世,只有一个庄园在宋城的南边,我和保姆陈氏居住。由于离市场很近,所以卖菜为生。三岁时,保姆抱我穿行市中,被强徒所刺,现今刀痕尚在,所以以花覆之。七、八年前,养父在卢龙任节度使,收我养女,后嫁君为妻。" 韦固问道:"陈氏一眼失明吗?"其妻对答:"是,你怎么知道?"
訳文:
それから14年が経ち、韋固は父の庇護のおかげで、相州軍で職に就くことになりました。
相州の長官、王泰は韋固の才能を高く評価し、17歳の娘を韋固に嫁がせました。
長官の娘は善良でやさしく、華やかで美しかったのですが、眉間にはいつも花を貼っていて、入浴する時も取りません。
一年余りの間、韋固はいぶかしく思っていましたが、突然、市場の暗殺の事を思い出し、そのわけを問いつめ始めました。
妻はさめざめと涙を流し言いました。
「実は私は長官の養女なのです。
私の父は宋城の県令でしたが、父が亡くなった時、私はまだおくるみの中でした。
相次いで母兄が亡くなりまして、宋城の南に一つだけ荘園があり、私はそこで家政婦の陳おばさんと住んでいたのです。
市場から近いので、野菜を売って生計を立てていました。
三歳の時、家政婦が私を抱いて市場を通り抜けた時、強盗に刺され、
その刀の跡がまだ残っているので、花で覆っていたのです。
7、8年前、養父が盧竜で節度使(せつどし)を務めた時に、私を養女とし、その後あなたに嫁いだのです。
韋固は「陳おばさんって、片目が見えない?」
妻は「はい、どうしてそれをご存じなのですか?」と答えました。
解説:
惊讶[jīngyà]→(事の意外さに)不思議がる、いぶかる
猛然[měngrán]→突然、急に。“猛然间měngránjiān”とも
逼问〔bīwèn〕→問いつめる
潸然[shānrán] →〈書〉涙を流すさま
妻が眉間に花を貼っている、とはまた奇妙な光景です。いったいどのように貼っていたのでしょうか?
アロンアルファ?なんやらボンド?セロテープ?シールかな?
韋固が一年もヨメが眉間に花を貼っているわけを聞かなかったのも奇妙ですが、まあそこが「お話」です。
次は最終回。
韋固夫婦は、過去のことを知って、分かれてしまうのでしょうか?