葉書の「葉」
豊かな自然に囲まれた国民公園である京都御苑は、市民の憩いの場となっています。
ここに生育する樹木は約5万本、500種を超えるそうです。
なかでもちょっと目を引いた植物が「多羅葉(たらよう)」という樹木。
御苑の西南にある宗像神社のお社のそばにありました。
この樹木の葉、葉書の「葉」なのです。
葉書の葉ってどういうこと?
実はこの「多羅葉(たらよう)」という樹木の葉が葉書の始まりだと言われています。
葉の裏に木の枝などで傷をつけて文字を書き、相手に渡して伝えたことが、まさに葉に書く「葉書」始まり。
この多羅葉(たらよう)の葉は特別な成分を含んでいて、傷をつけると色が黒く変色して、文字が浮かび上がります。
‟你好”と書いてみました。
平安時代にはこの葉にお経を書いたり、
火であぶると黒い模様が浮きあがるので、それで吉兆の占いをしたり、
とても特別な樹木として神社仏閣で植えられて大切にされていたようです。
ああ、だから、宗像神社の境内にあったのか、と納得。
手紙を書くことが少なくなり、連絡はほぼメールという今の時代から見れば、
葉っぱに字を書いて人に送るって、風流ですね。
でも、葉に文字はたくさん書けない!?
定額外扱いで63円ではいかない!?
中国語で葉書は、‟明信片 mínɡxìnpiàn”
絵はがきは、‟美术明信片 měishù míngxìnpiàn”と言います。
”美术”は「美術」のことです。
では、「多羅葉」の葉書もある意味「美術的」なので、絵葉書の一種に入るのでしょうかね?