【春節文化×中国語】第2回:紅包(hóngbāo)は“お年玉”じゃない?「压岁钱」が守ってきたもの
大家好、みなさん、こんにちは。
前回は、大晦日に眠らずに過ごす「守歳(守岁 Shǒusuì)」の“家族を守る仕組み”をお話ししました。今夜の主役は、子ども(そして大人も)大好きな――红包 (hóngbāo)です。
日本人の感覚だと「中国版お年玉だよね」で終わりがち。でも中国側の言葉をよく見ると、もう入口から違います。
紅包で渡すお金はしばしば 压岁钱(yāsuìqián)――直訳すると「歳を“押さえる”お金」。この時点で、ただの“お小遣い”ではなさそうですよね。

紅包(红包 hóngbāo)って何?—封筒より先に“色”が主役
紅包は、春節などで現金(最近は電子も)を入れて贈る赤い袋・封筒のこと。
中国文化では赤が「めでたい」「運を呼ぶ」象徴で、赤い袋で渡すこと自体が祝福になります。
「压岁钱(yāsuìqián)」の“岁”は年齢じゃない?—日本人が「へ~」となるポイント
ここが第2回のいちばん面白いところです。
压岁钱の“岁(suì)”は「年・年齢」の意味で習いますが、民間伝承ではしばしば「悪いもの」を連想させる語感とも結びついて語られます。
そして有名なのが、除夕の夜に現れる妖怪(邪気)の話。
「祟(suì)」という存在が子どもを怖がらせる(病気にさせる)ので、それを鎮めるためにお金を用いた――という語りが紹介されています。
この“起源伝説”を、以前読みやすくブログ記事にまとめました。
つまり圧歳銭は、元々の感覚としては「お年玉」というより、
“新年の不安(病気・災い)を押さえ込む護符(お守り)”に近いのです。
守歳(守岁)と紅包(hóngbāo)はセットで完成する
前回の守歳は「眠らない」行事に見えて、実際は“家族が同じ時間を共有する装置”でした。
紅包も「お金」より先に、“関係性”が走ります。
- 年長者→子ども:守る、祝う、育ちを願う
- 子ども→年長者:挨拶、礼、家族の秩序を学ぶ
この“往復”があるから、春節は単なる休日ではなく、文化が更新される時間になります。
現代版「紅包あるある」:電子紅包で“祭り”が加速する
最近はスマホの電子紅包が一般化して、「家族グループで紅包を投げて、みんなで抢(qiǎng=奪い合う)」みたいな遊びも定番に。
覚えておくと会話が弾む中国語
- 红包(hóngbāo):紅包
- 压岁钱(yāsuìqián):お年玉(春節の)
- 发红包(fā hóngbāo):紅包を配る
- 抢红包(qiǎng hóngbāo):紅包を奪い合う(電子紅包で超頻出)
文化Tips:紅包の“中身”より大事なマナーはこれ
ここは日本人がやりがちな誤解ポイント。
春節の紅包は「金額が全て」ではなく、“赤で包む=祝福を形にする”が核です。
だからこそ、もし中国の友人・知人に春節の挨拶をするなら、現金文化に無理に乗らなくても大丈夫。
まずは言葉で十分伝わります。
- 新年好!(Xīnnián hǎo!)
- 恭喜发财!(Gōngxǐ fācái!)※定番の「おめでとう、儲かりますように」
まとめ:紅包は「お金」ではなく、“守り”と“祝福”のパッケージ
紅包(hóngbāo)は中国版お年玉――それも間違いではありません。
でも「压岁钱(yāsuìqián)」という言葉が示す通り、その原型には 子どもを災いから守るという発想があり、赤い色そのものが“祝福の器”になっています。
次回(第3回)は、春節の食文化の王様――餃子(饺子 jiǎozi)をやります。
「なぜ北方は餃子?」「形に隠れた“ある発想”」など、日本人が思わず「へ~」となるネタを、中国語学習にも直結する形でお届けします。