世外桃源 shì wài táo yuán
桃の美味しい季節になりました。
冷蔵庫で少し冷やして
皮を剥くときに、つるりと剥けると
もう最高。
柔らかい果肉と、甘い果汁にうっとり
生きていてよかった、と思うほど。
まさに、世外桃源に来たよう・・・
世外桃源は四字熟語で、ユートピア、桃源郷、という意味です。
ユートピアに行ったことはないけれどね、
それほどおいしいというたとえです。
桃源郷の故事
中国、晋の時代に、ある漁師が舟で川をさかのぼっていくと、
桃の花が咲いて、とてもいい香りのする林に迷い込んでしまいました。
林が尽きると山に出て、山のふもとにひとつの洞窟がありました。
どうやらこの川の水は、この洞窟から流れ出ているようでした。
この水源の洞窟に入って奥に進んでみると、はじめは暗くて狭かったのが、進むにつれて明るく広くなってきました。
そして洞窟を抜け出ると、そこには秦(しん)の戦乱を避けてこの地に隠れ住んだ人々が、
数百年にわたって世の中の外に事も知らず、この平和な別天地での生活を営んでいたのです。
漁師は家に帰って、皆にこのことを話しました。
それを聞いた人がその場所へ行ってみようとしましたが、
全く見つからず、たどり着くことができませんでした。
これは、陶淵明(とうえんめい)が書いた『桃花源記』に載っているおはなしです。
もしかしたら今でも、その桃源郷に住んでいる人がいるかもしれませんよ〜。