知り合いの方が結婚すると聞き、なかなか良いことがないこの時期に、うれしい知らせでした。
お相手とはやはり赤い糸で繋がれていたのでしょうか。
「縁結びの神様」にあたる中国語は「月下老人」です。
ええ?なんで、月の下?どうして老人?
由来を調べて、訳してみました。
月下老人,是源自唐朝时期的著名典故。
月下老人は、唐の時代の有名な故事が元になっています。
出自唐朝文学家李复言所著的《续玄怪录·定婚店》。
唐の文学者「李復言」が書いた『続玄怪録・定婚店』が出典です。
梗概gěnggài(あらすじ)
唐朝元和二年(公元807年),有一个叫韦固的书生路过宋城借宿在宋城南店的客栈,夜晚遇一老人在月光下翻检一本婚姻簿。月下老人为韦固牵红绳指明婚嫁对象,后来韦固果然应月老之语与相州刺史王泰之女结为连理。
Tángcháo yuán hé èr nián (gōngyuán 807 nián),yǒu yí ge jiào Wéi gù de shūshēng lùguò Sòngchéng jièsù zài Sòng Chéngnán diàn de kèzhàn,yèwǎn yù yì lǎorén zài yuèguāng xià fānjiǎn yì běn hūnyīn bó。
Yuè xià lǎo rén wèi Wéi gù qiān hóng shéng zhǐmíng hūnjià duìxiàng,hòulái Wéi gù guǒrán yìng yuèlǎo zhī yǔ yǔ xiāng zhōu cìshǐ Wáng Tàizhī nǚ jié wèi liánlǐ。
あらすじの訳文
唐の元和2年(西暦807年)、宋城を通りかかったと韋固いう書生が宋城南店の旅籠に泊まりました。夜になって韋固は、ある老人が月光の下で婚姻簿をめくって調べているのに遭遇しました。その月下の老人は韋固に赤い縄を繋いで、結婚相手が誰かを告げました。後に月下の老人の言葉で通り、韋固は相州の長官、王泰の娘と結婚しました。
唐代人韦固家居杜陵地方,少年时代就成了孤儿。
成年后就想尽早娶妻,所以就委托别人四处求婚,但都无功而返。
元和二年,为了游历清河地方,便在宋城城南的旅店住宿。
客人中有人建议韦固向宋城司马潘昉的女儿求婚,并且约好了第二天在客店西的龙兴寺门相见・・・・・・。
訳文
唐の時代、杜陵というところに韋固という者が住んでいました。
彼は幼くして孤児になり身寄りが無かったので、成人して早く結婚したくて方々に頼みましたが、うまくいきませんでした。
元和2年(西暦807年)、韋固は清河地方を旅した際、宋城の南の旅館に泊まりました。
その旅館の客の一人が、韋固に宋の司馬潘昉(注:いわゆる高官)の娘にプロポーズすることを提案し、翌日、宋城の西の龍興寺門で会おうと約束しました。
求婚の切なる気持ちを告げようと、翌朝明け方、月がまだ残る頃、韋固は約束の場所に向かいました。
しかし、そこにいたのは一人の老人で、布袋にもたれて寺の階段に座り、月明かりで本を見て調べていました。
その本をこっそり覗き見ると、てん書でも梵語でもなく、韋固には一字も読めませんでした。
韋固は老人に「おじいさんが見ている本は何ですか?私は幼い頃から一生懸命に勉強して知らない字はほとんどありません。西洋の梵語も読めるようになりました。でもその字は見たことがありません。何の本ですか?」
老人は笑って言いました。「これはこの世のものではない幽冥の本だから君は見られない。私は幽冥の仕事をする者で、本来は君とはあの世とこの世で離れているが、今日ここで君と出会うのは早すぎる。」
韋固は老人に「何の仕事をしているのですか」と重ねて問うと、老人は天下の結婚を主管していると答えました。
「私は幼い頃に孤児になりました。成人して早く結婚し、子孫を繁盛させたいと、十数年間、多くの女性に結婚を望んだのですが、思うようになりませんでした。今日ここに、司馬潘昉の娘を連れてくることができますか」と聞きました。
老人は韋固に「だめだ。君の妻は今まだ三歳になったばかり、十七歳になってようやく君の家に嫁ぐのだ」と話しました。
韋固は「あなたのその袋の中身は何ですか?」と尋ねました。
老人は「これは世の中の夫婦の足をつなぐ赤い紐だ。人は生まれてすぐにこの紐を結わい付けられるのだ。敵の家であれ、貴賤であれ、居場所が離れていても、この赤い紐には逆らえない。君の足にも既に付けられていて、どこに助けを求めても無駄なのだ」と言いました。
韋固は「それでは私の妻はどこにいるのですか?彼女の家族は何をしているのですか?」と尋ねました。
「君の妻は、客室の北側でおかずを売る陳おばさんの娘だよ」。
韋固は「じゃあ、私は彼女を見ることができますか?」と聞くと、
老人は「陳おばさんは子供を抱いて市場におかずを売りに来るから、私についてくれば教えてあげよう」と答えました。
少し長くなったので、続きは次回。
お楽しみに!