この季節は京都では、「秋の特別拝観、一般公開」をしているお寺などが数十か所あります。
普段は見られない仏像や庭園を見ることができて、楽しみにされている方もいらっしゃるでしょう。
そのひとつで、先日このような看板を見かけました。
「出口」と一番上に書いてあるように、出口付近に置いてありました。
見たところ、一番上から日本語
二行目が韓国語
三行目が中国語
四行目が英語
中国語の訳として書かれている三行目にご注目!
赤で、「ココ」とかいてマルで囲みました。
「輸出」とあります。
输出[shūchū] の意味は辞書によると、
(1)送り出す
(2)輸出(する)
(3)出力;アウトプット
“输出”はもともとは物を内部から外部へ送り出すことで
“劳力输出”(労働力輸出),“资本输出”(資本輸出)など日本語と同様の意味でも用いられますが、
商品の輸出は“出口chūkǒu”を用いることが多いと書いてあります。
例文:
这个马达输出功率大。|このモーターは出力が大きい
输出为二十五万千瓦的发电站。|出力25万キロワットの発電所
ここの看板には「輸出」とありますが、残念ながら、中国語の「輸出」には、日本語の「出口」の意味はありませんね。
このお寺を「輸出」したらエライことですどうやって船積みする?一体いくら?円建て?ドル建て?FOBか
では、でぐち【出口】 は中国語でどういうの?
すなわち、外へ出る口で、‟出口chūkǒu”です。
例文:
出口がわからない|我找不到zhǎobudào出口。Wǒ zhǎobúdào chūkǒu.
出口はこちらです|出口在这儿。Chūkǒu zài zhèr.
特別拝観の際、こうして「探偵団」気分で看板を気にかけてみるのも面白いのではないでしょうか。