日本語から言える!中国語「言い換え力」クリニック【第2回】「ちょっと」その2-「一寸」ってもとは中国語??
大家好、みなさん、こんにちは。
先日、「日本語から言える!中国語「言い換え力」クリニック【第2回】「ちょっと」— 待って/少し/微妙に/軽く断る」を紹介しました。
すると、「日本語のちょっと『一寸は中国語から来ていますか?』というご質問を受けました。
はい、結論から言うと、日本語の「ちょっと」という音(ことば)自体が中国語から直接来たわけではありませんが、当て字の「一寸(ちょっと)」は中国語の数量表現に由来すると考えられています。
面白いことに、現代中国語にも「ちょっと」に相当する表現がいくつもあり、使い方やニュアンスが日本語ととてもよく似ています。
今回のご質問を機に、言葉の由来と使い分けを見てみましょう。

日本語「ちょっと」と漢字「一寸」の由来
まず、「ちょっと」という言葉自体は、元々日本語の副詞として昔から使われていたものです。
そこに、後から漢字の「一寸(いっすん)」が当てられました。「一寸」は元々、長さの単位(約3.03cm)で、「ごく短い・わずかな」という意味を持ちます。
「一」: 中国語で「ひとつの」という数量を表す基本語。
「寸」: これも中国由来の長さの単位。
この「一寸」という漢語の持つ「わずかな長さ・量」という概念が、日本語の「ちょっと」の意味(時間・距離・量がわずか)とピッタリ合ったため、当て字として定着したと言われています。つまり、「ちょっと」という音は日本語ですが、それに「一寸」という漢字を当てたという関係です。
現代中国語の「ちょっと」に見る、共通する感覚
面白いのは、現代中国語にも「ちょっと」を表す言葉がいくつもあり、その使い分けが日本語の「ちょっと」の多様なニュアンスと驚くほど似ている点です。
| 日本語「ちょっと」のニュアンス | 中国語表現 使い方のポイント | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| 量が少し | 一点儿 (yīdiǎnr) | 量が少し 一点儿 (yīdiǎnr) 「お金がちょっとある」など、客観的な量の少なさを表す。 |
| 程度が少し | 有点儿 (yǒudiǎnr) | 「ちょっと寒い」など、基準から外れた感覚を表し、ネガティブな文脈で使われることが多い。 |
| 時間が少し | 一下 (yīxià) | 「ちょっと見て」「ちょっと待って」など、動作が短い・軽いことを表す。一区切りの動作。 |
| 持続時間が少し | 一会儿 (yīhuìr) | 「ちょっと休む」など、持続する時間の短さを表す。「一下」よりやや長めのニュアンス。 |
まとめ
・日本語の「ちょっと」: 大和言葉がもと。後から漢字「一寸」を当てた。(諸説あり)
・当て字「一寸」: 中国語の数量表現(一+寸)に由来する。
・現代中国語の「ちょっと」: 日本語の多様な「ちょっと」を、一点儿・有点儿・一下・一会儿 などで細かく使い分ける。
言葉は生き物です。中国語由来の漢字を使いながら、日本語独自の感覚で「ちょっと」という言葉を磨き上げ、さらに現代中国語にも似たような繊細な使い分けがあるのは、とても興味深いですね。