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中国×日本 比較文化シリーズ【第10回】SNSとネット文化

中国×日本 比較文化シリーズ【第10回】SNSとネット文化:WeChatが支配する中国のデジタル生活

大家好、みなさん、こんにちは!

 

今回はデジタル時代の文化、SNSとネット生活についてです。スマホ一つで生活が完結する中国と、多様なサービスが共存する日本。その違いは大きいのです。

WeChat:スーパーアプリの光と影

中国のデジタル生活を語る上で欠かせないのが「微信(ウェイシン/WeChat)」です。日本人は「中国版LINE」と理解しがちですが、その機能は桁違いです。むしろ「デジタル社会の基盤」と呼ぶべき存在です。

 

WeChatでできること:

- メッセージ、音声通話、ビデオ通話

- WeChat Pay(モバイル決済) - コンビニから路上の屋台まで

- ミニプログラム - アプリ内で他のサービスを利用(タクシー、出前、ホテル予約など)

- 公共料金の支払い、病院の予約、行政サービスの申請

- ビジネスツール(名刺交換、会議、公式アカウント)

- 身分証明としての利用(身分証のデジタル版)

 

つまり、WeChat一つあれば財布も他のアプリも不要。中国では現金を持たずに生活できるだけでなく、スマホ一つで全てが解決します。しかし、この便利さには、WeChatアカウントが凍結されると、デジタル生活全体が麻痺するというリスクもあります。

 

 日本の「分散型」デジタル生活と統合への動き

対照的に日本では、長らく用途ごとに異なるアプリを使い分ける文化が続いてきました:

- コミュニケーション - LINE、Instagram、Twitter(X)

- 決済 - PayPay、楽天Pay、Suica、クレジットカード

- ショッピング - Amazon、楽天、メルカリ

- 配車・デリバリー - Uber、Uber Eats、出前館、各タクシー会社アプリ

 

この「専門アプリの組み合わせ」方式は、選択の自由がある反面、複数のアプリを管理する手間もあります。中国人から見ると「なぜ一つにまとめないの?」と不思議に思うかもしれません。

 

しかし、日本も変化していますよね。

- LINEのスーパーアプリ化: LINE Pay、LINEツイマー(メルカリ連携)、LINEデリマなどのサービス統合が進んでいます。

- 金融機関のデジタル化: 銀行アプリの機能拡充が急速に進んでいます。

- プラットフォーム間連携: PayPayと様々なポイントサービスの連携など、緩やかな統合が進んでいます。

 

完全な中国型にはなっていませんが、便利さと効率を求める動きは確実に加速しています。

 キャッシュレス化の異なる道筋

中国:「現金お断り」の現実とその背景

中国の都市部では、現金が使えない店が増えています。WeChat PayやAlipayのQRコードをスキャンして支払うのが当たり前。路上の物乞いまでQRコードを持っている、というジョークがあるほどです。

 

高齢者もスマホ決済を使いこなし、「現金を持つ方が不便」という状況になっています。コロナ禍では「健康コード」もWeChatやAlipayで管理され、デジタル化がさらに加速しました。

 

面白い背景は、中国ではクレジットカード文化が未成熟だったことです。 この「空白」が逆説的にモバイル決済の爆発的普及を可能にしました。また、偽札対策や経理効率化という実用的な理由も大きな推進力でした。

 

日本:現金文化の根強さと進化

日本でもキャッシュレス化は進んでいますが、まだまだ現金主義が根強いです。特に: 

- 高齢者は現金を好む

- 小さな店では現金のみの所も多い

- 「お金の使いすぎが心配」という心理的抵抗

- 災害時の備えとして現金を持つ習慣

 

日本は既に成熟したクレジットカード社会であり、電子マネー(Suica, PASMO等)も早期に普及していました。 このため、新たな決済手段への移行は相対的に緩やかになっています。政府はキャッシュレス推進を掲げていますが、中国のような「飛躍的」な変化ではなく、「進化的」な変化が続いています。

 中国のSNS生態系:WeChatだけではない世界

「朋友圈」:閉じた親密圏 

WeChatの中には「朋友圈(ポンヨウチュエン/モーメンツ)」という機能があり、これが中国人の日常SNSになっています。写真や近況をシェアし、友人が「点赞(いいね)」やコメントをつけます。

 

日本でいうInstagramやFacebookに近いですが、よりプライベートで親密なコミュニティという特徴があります。見られるのは友達登録した人だけで、オープンなSNSとは違います。

 

面白いのは、ビジネスでも「朋友圈」が活用されること。営業マンが商品情報を投稿したり、お店が宣伝したり。プライベートとビジネスの境界が曖昧なのも中国的です。

 

しかし、WeChat以外にも重要なプラットフォームがあります:

 

- 微博(ウェイボー/Weibo): 中国版Twitter。公的な情報発信、社会議論、エンタメ情報の中心地。WeChatの「閉じた」世界に対し、微博は「開かれた」議論の場です。

- 抖音(ドウイン/TikTok): 短編動画の王者。若者文化の発信地。

- 小红书(シャオホンシュー): 「中国版Instagram」以上に、生活情報・口コミ・消費ガイドのプラットフォームとして急成長。

- 知乎(ジーフー): 中国版Quora。専門的な知識共有の場。

 

中国のユーザーは、目的によってこれらのプラットフォームを使い分けているのです。

 

 日本の「使い分け」文化

私もそうですが、日本人は複数のSNSを使い分ける傾向が強いですね:

 

- LINE - 日常的な連絡、家族や親しい友人(閉じたコミュニケーション)

- Instagram - 写真中心、趣味や日常のシェア(半公開の自己表現)

- Twitter(X) - 情報収集、匿名性を活かした本音(公開の情報交換)

- Facebook - ビジネス、実名でのネットワーク(実名の公的場)

 

この使い分けは、「本名・匿名」「公開・非公開」「仕事・プライベート」を明確に区別する文化の表れです。日本人は「場面によって見せる顔を変える」ことを重視します。

 

 「网红」経済:巨大産業の誕生

中国では「网红(ワンホン/ネットセレブ、インフルエンサー)」文化が巨大産業に成長しています。特に「抖音」や「快手」などの短編動画プラットフォームで一躍スターになる人が続出。

 

「直播带货(ライブコマース)」も大人気で、インフルエンサーがライブ配信で商品を紹介し、視聴者がその場で購入。トップインフルエンサーは一晩で数十億円を売り上げることも。

 

「李佳琦(リー・ジャーチー)」という口紅販売で有名になった网红は、わずか5分で15,000本の口紅を売った記録を持っているそうです。


中国の网红経済の特徴:

- 職業として完全に認知: 専門学校や大学の学科まである

- MCN(マルチチャンネルネットワーク)による組織化: 個人ではなく組織として運営

- 爆発的な経済規模: 一部のトップ网红は上場企業以上の売上をあげる

- 地方政府との連携: 地方特産品の販売など、経済政策の一環としても活用

 

日本のインフルエンサー文化

日本にもYouTuberやインスタグラマーはいますが、中国ほどの経済規模と社会的影響力はありません。日本では:

- エンターテイメントとしての位置づけが強い

- 「本業の傍らで」という位置づけが多い

- 広告規制や消費者保護の意識が高い

- 組織化の度合いは中国に比べて低い

 

 言語学習のヒント

デジタル時代の中国語は日常会話に不可欠です!

 

中国語のSNS・デジタル関連表現:

- 微信 (wēixìn) - WeChat

- 支付宝 (zhīfùbǎo) - Alipay

- 朋友圈 (péngyǒuquān) - WeChatモーメンツ

- 微博 (wēibó) - Weibo

- 扫一扫 (sǎo yī sǎo) - QRコードをスキャンする

- 点赞 (diǎnzàn) - いいね

- 转发 (zhuǎnfā) - シェア、リツイート

- 网红 (wǎnghóng) - インフルエンサー、ネットセレブ

- 直播 (zhíbō) - ライブ配信

- 刷手机 (shuā shǒujī) - スマホをいじる

- 加个微信吧 (jiā gè wēixìn ba) - WeChat交換しよう

- 发个红包 (fā gè hóngbāo) - 電子紅包を送る

- 打赏 (dǎshǎng) - 投げ銭、チップを送る

- 截图 (jiétú) - スクリーンショットをとる

 

 まとめ:デジタル文化は社会の鏡

デジタル文化の違いは、両国の社会システム、歴史的経緯、そして根本的な価値観を反映しています。

 

中国人の友人に「WeChat持ってる?」と聞かれたら、それは単なる連絡先交換ではなく、デジタル生活全体への招待状を意味します。逆に日本では「LINEは?」「Instagramは?」と複数聞かれるのが普通。

 

重要なのは、どちらが優れているかではなく、それぞれの文化が生み出した合理的な適応であることを理解することです。 中国の効率性と日本の多様性は、それぞれの社会のニーズと制約から生まれた自然な結果かもしれません。

 

デジタル化は今後も進化し続けます。中国の一元管理モデルと日本の分散協調モデル、どちらが未来のスタンダードになるのか、あるいは全く新しいハイブリッド型が生まれるのか。この違いを理解することが、これからの日中交流を深める上でますます重要になるでしょう。

 

 

【今日の中国語フレーズ】

 

- 加个微信 (jiā gè wēixìn) - WeChat交換しましょう

- 我扫你还是你扫我?(wǒ sǎo nǐ háishì nǐ sǎo wǒ) - 私があなたをスキャンする?それともあなたが私を?(QRコード交換時)

- 手机没电了 (shǒujī méi diàn le) - スマホの電池が切れた

- 网络不好 (wǎngluò bù hǎo) - ネットの調子が悪い

- 关注你了 (guānzhù nǐ le) - フォローしました(SNSで)

 

次回は「恋愛観と結婚観」について、両国の興味深い違いをご紹介します。中国の「相亲」文化と日本の「婚活」、どう違う?お楽しみに!