中国語ネットスラングの実例集
皆さん、こんにちは!大家好!
「我去、我挂了」—— 中国のSNSやゲームチャットでよく見かけるこのフレーズ。
一見、日本語の「行って、掛けた」のように見えますが、実は全く違う意味を持つ中国語のスラングです。
今回は、「挂了」が「終わった」「死んだ」という意味になる由来を探り、実際の使用例を紹介します。
核心は「挂」にあり! 電話から生まれた表現
キモは「挂」という動詞。
本来は「掛ける」という意味ですが、ここでは「終了する」、そして転じて「失敗する」「死ぬ」という意味で使われます。
その由来は、古い電話機にさかのぼります。受話器をフックに挂けて通話を終了することから、「挂电话」は「電話を切る」を意味します。
ここから、「挂」単体で「終わる」という意味が生まれました。
【例文】
「他刚挂电话。」(彼が今電話を切った。)
「会议挂了,没结果。」(会議は決裂した、結果なし。)
英語の影響も? 「hang up」との奇妙な一致
さらに興味深いのは、英語との類似性です。英語でも電話を切ることは「hang up」と言います。
また、「I got hung up on the problem.(問題に足を取られた)」のように、「行き詰まる」という意味もあります。
これが中国語の「挂」と意味的に重なり、スラングの普及を後押ししたと考えられます。
ゲーム文化が決定づけた「死亡」の意味
そして何より、この表現を一気に市民権させたのはゲーム文化です。
オンラインゲームでキャラが死亡するたびに「我挂了!」と叫ぶ玩家たちの軽いノリが、あっという間に日常に浸透しました。
「死んだ」と言うよりも、「やられたー」という悔しさや自嘲を込めた、コミカルで便利な表現なのです。
【例文】
「啊!被偷袭了,我挂了!」(うわ!不意打ち喰らった、やられた!)
「这BOSS太难了,我们全挂了。」(このボス強すぎ、俺たち全滅した。)
日常に浸透した「挂了」 失敗を軽く言い表す
今や「挂了」はゲーム以外の日常でも広く使われます。
試験に落ちる、プロジェクトが失敗するなど、何かが「ダメになった」時に、深刻になりすぎずに表現できる便利な言葉です。
【例文】
「这次考试我挂了,得补考了。」(今回の試験、落ちちゃった。再試験だよ。)
「小心点,别让计划挂了。」(慎重にやろう、計画をダメにするなよ。)
言葉は時代を映す鏡
言葉は時代と共に生きています。
ほんの数十年前の電話の動作が、現代では全く別の意味でネットを駆け巡る——。
「挂了」の背景には、技術、他言語、そしてサブカルチャーが交差する、言語の面白い進化の物語が隠されていました。
そんな言葉の新しい進化を、これからも楽しみながら身に着けていきましょう。